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水田テラス

|散居の五蔵|

隣地の田んぼに稲が植えられました。
文字通り、水田テラスの風景が広がります。

敷地には、この田んぼの用水路から水の引込口があり、いつの時代からかわかりませんが
引き込んだ水を使った洗い場や庭の池を潤し、また大きな用水路へと戻す流れがつくられて
いたようです。田に水が張られたこの時期、敷地内の枯れていた池もおそろしいほど
水がひたひたに満たされた状態になっています。

水田に水が流れない時期はどうしていたのか、、
田んぼを介さず引き込める水路があるのか、それとも井戸水を組み上げていたのか。
まだまだ解明すべきところがたくさんありそうです。

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]

worksを追加しました(艸の堂)

事務所ウェブサイトのworksに、今春竣工した「艸の堂(くさのたかどの)」を
追加しました。山川草木に囲まれた、広くのびやかな新築住宅です。

東西を隣家に挟まれ、南北に長い敷地形状を活かし、通りから住宅を守るように異なる
二つの庭を南北に配しています。2階建てながら軒高を抑えることで、周囲の街並みに
対するボリューム感を軽減し、シンプルな切妻屋根の平入形状としています。

省エネ性能の高さによって、居場所の中心となる吹抜けの広間を介して家全体の均一な
温熱環境を実現。2階は木造の学び舎のような又は山小屋のような空間で、吹抜けに面
したカウンターのある共用スペースが、各こども室をつないでいます。

[省エネ性能]
UA値=0.29W/㎡K(Q値=1.11W/㎡K)
年間暖房負荷=32.5kWh/㎡
C値=0.4㎠/㎡
屋根断熱:高性能GW16K 300mm
外壁断熱:高性能GW24K 100mm(充填)+16K 100mm(付加)
基礎断熱:PSF100mm
開口部:木製サッシおよび樹脂サッシ

 

詳しくは、事務所ウェブサイトのworksをご覧ください。
https://takashiinoue.com/works/

 

 

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届いたマスク

事務所に小包がとどいたと思ったら、建て主さんからの手作りマスクでした。
大きさも二種類あって、シンプルな布地を選んでつくってくださったようで、
本当に感激です。仕事・プライベート問わず、大事に使わせていただきます。
ありがとうございました。

 

 

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泊まって応援

ここ2週間ほど山形県内で新規の感染者は見つかっていない状況がつづいています。
これも長きにわたる様々な自粛による効果の表れだと思いますが、先週末から
県内在住者を対象に、「県民泊まって応援キャンペーン」がはじまっています。

https://yamagata-ouen.com/stay.html

1万円以上の宿泊プランを利用の際に使える5千円の割り引きクーポンが当たると
いうことで、今月末まで申し込む必要があるそうです。

「山形座 瀧波」も対象となる宿泊施設に掲載されています。応募者多数の場合は
抽選のようですが、ぜひこの機会をご活用いただければと思います。

瀧波では、全19室という少ない客室数でそれぞれが断熱性や遮音性を高めた
独立性のある部屋で、夕食時も大きな対面キッチンのカウンター席以外に個室も
完備されています。

そして、すべての客室に赤湯温泉の源泉掛け流しのお湯(蔵王石風呂or桧浴槽)
を引いているので、滞在中好きなタイミングに好きなだけお湯につかることが
できます。他の宿泊客との接触もできる限り抑えながら、ゆっくり自分たちの
時間を楽しむことができるのではないかと思います。

首都圏の緊急事態宣言が解除されない以上、県境をまたぐ移動はまだまだ自粛が
求められるので、県内の宿泊施設は県民が泊まることで応援するというのは
とても望ましい取り組みだと感じます。対象となる宿泊施設には、温泉宿以外にも
ゲストハウスやビジネスホテルも入っているようなので、気になるけど行けなかった
場所にこの機会に試してみるなどの利用もアリかもしれませんね。

 

 

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漲る

|散居の五蔵|

白鷹で計画中の現場は、隣地が広大な水田となっていて、いよいよ用水路から
水が入り始めていました。田んぼに水が張られていくと、東北もようやく冬の
終わりを実感して、土地に生気がみなぎっていくような気がします。

山形県も緊急事態宣言が解除され、学校や施設が少しずつ再開の動きを見せ
始めていますが、まだまだ油断できない日々はつづき、新しい生活様式を意識
しながら希望をもって前に進んでいかなければならないと感じています。

これから稲が青々と育ち、田んぼの水面をすがすがしい風が吹き抜けていく、
そんな季節に入っていくのを考えるだけで心晴れやかになります。

 

 

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雪国に際立つ

飯豊町に行った流れで、飯豊町庁舎に立ち寄りました。
設計は本間利雄設計事務所+地域環境計画研究室、完成したのが1979年なので、
私も生まれる前から建っていますが、モダンなデザインは40年経っても古びません。

この建物は、計画当初から生態学的環境調査を行いながら設計デザインを決めて
いったとされていますが、本間利雄所長が「Design with Nature」の著者であり
ランドスケープアーキテクトのイアン・L・マクハーグに出会ったのが1974年、
その翌年に地域環境計画研究室を事務所内に併設し、県内各地で環境調査を実施
しはじめており、飯豊町庁舎の計画が始まったのが1977年ということでまさに
エコロジカルプランニングが反映された時期の建築だったのだと気づかされます。

敷地はなだらかな東斜面の丘陵地にあり、水系や山からの風を考えて東西に広がった
長方形の平面形状とし、土地の造成範囲を少なくするために高層化し、造成後の
盛り土や斜面の崩壊を防ぐために植栽を施しているのが今もわかります。

外壁の磁器質タイルは、丘陵地の緑の中で映える色、飯豊の深い雪の中でもはっきりと
した色彩となるよう試験焼して選ばれた赤レンガ調のもので、建物際を歩いていると
どこか北欧の街なかを歩いているような感覚に襲われます。

たしか本間設計では1974年に北欧・ソ連の視察を行い、フィンランドのアアルトの
事務所も訪れているとのことだったので、その空気感がこの頃の設計に少なからず
反映されているのかもしれません。

庁舎の裏山を歩いていると、雑木林の中にポツンと小さな小屋が。
「森の中の家」としても見えて、つい見入ってしまいました。

 

 

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青に染まる

|松尾川の家(戸建てリノベ)|

まだまだ予断を許さない状況ではありますが、山形県内では新規感染者数の伸びが
落ち着き新規感染者ゼロの日も見られるようになってきました。
引き続き警戒しつつも、休業や営業時間短縮を行っている県内の旅館や飲食店が
少しずつ元の営業を取り戻していくのを願っています。

山裾の改修現場は、内部解体がだいぶ進みました。
増改築で複雑になっていた構造体をなるべくシンプルな形態に整理し直し、
ふたたび外界とつなげられたらと思います。

 

 

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