news

宿る米沢

2022年度から山形大学の建築デザイン学科が、拠点を本格的に米沢キャンパスに
移転しており、例年山形市の小白川キャンパスで行なっていた3年生の授業も
米沢で行なうことになりました。

私が担当する3年後期の設計課題の対象敷地も、やはり米沢を題材にした方がよい
ということで、「米沢のまちなかの宿」をテーマに、学生それぞれが米沢の街を
自分で歩いてみて、見つけてきた気になる土地で宿の設計提案をしてもらいました。

学内の講評会はすでに2月に終えていたのですが、せっかく製作した各自の力作を
米沢の地域の人たちにも見てもらいたいと思い、学外発表会をこのたび開催しました。

米沢市の「東町ポスト」にて、米沢のこれからを熱く考えている皆さんをお招きし、
受講した学生8名全員が参加してプレゼンをおこないました。

「武者道」「上杉神社参道」「ふみきり横丁」など、米沢に残る魅力的な資源に
学生ならではの新たな視点を加えながら、その場所の価値をふたたび掘り起こすような
提案で、地元ならではの視点での批評を受けることで、それぞれが学内とは違った視点からの
可能性を考えさせられる会となりました。

貴重な機会をつくっていただいた米沢のまちづくり会社・ウコギ社のメンバーはじめ
米沢の皆さんにはとても感謝しております。

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]

「ゴ・エ・ミヨ2023」に掲載されました(山形座 瀧波)

レストランガイド「ゴ・エ・ミヨ2023年版」(2023年3月15日発売)に、
「山形座 瀧波 1/365」が掲載されています。

ミシュランと並び世界的美食ガイドとして知られるゴ・エ・ミヨは、現在世界15ヵ国にて
刊行・展開していて、単なる評価本ではなくその国の食文化を掘り下げ、その土地の持つ
地域性(テロワール)に注目することで食の「今」を伝えています。

日本では2017年にはじめて刊行され、2023年版の今回は初掲載の東北地方を含め、
初の日本全国501軒の「今、行くべき店」を紹介しています。

「山形座 瀧波」は温泉宿ではありますが、そのダイニング「1/365」では近年、
ミシュラン一つ星の原田誠シェフを迎え入れ、さらに革新的に料理が進化していて、
今回のゴ・エ・ミヨ掲載につながっています。

山形県内からは「山形座 瀧波」含め7軒のレストランが掲載されています。その中には
今年のゴ・エ・ミヨで「テロワール賞」も受賞したアル・ケッチャーノや、メディアに
引っ張りだこのイル・コテキーノの名前もあり、食材の宝庫だけでなく、食を提供する
お店のクオリティも益々上がっていることが実感できます。

全国の書店のほか、ネットショップ等でもお買い求めいただけます。

Gault&Millau (gaultmillau.com)

ぜひご覧ください。

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]

アプローチ

|月日坊(志鎌康平写真スタジオ)|

書類関係のお届けものがあり、できたばかりの月日坊へ。
アプローチなど外構周りの工事はまだつづいています。

引っ越しの荷物もだいぶ片付いたようで、スタジオも良い感じでがらんとしていました。
少しずつスタジオとして稼働していくようです。

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]

巡り、礼う

|譲川の家|

先日建築確認申請も無事下り、山形市岩波の地で「譲川の家」の地鎮祭が無事
執り行われました。建て主さんはそれこそ事務所が緑町にあった時代から相談に
来られていて、土地探しをずっと何年もかかって続けてこられ、開発許可、造成を
経て、ようやく着工に至ったわけで、それを考えるとこちらの感慨もひとしおです。

地名は岩波ですが、字名で「譲川」という名が付いた土地にもなっています。
周囲には山と川の間の比較的限られた土地に昔から田畑が切り拓かれ、近くを
流れる竜山川から取水した農業用水路が田畑に水をくべながら下流の村々へ
流れていく様子が今も見られます。

今回の敷地の脇にもこうした小川のような小水路がちょろちょろと昔ながらの
音を立てて流れていて、分水する地点もすぐ近くに見られます。

昔は集落ごとの水争いもあったというくらい生活を左右する貴重な水源だったと
思うので、「譲川」という名前にもそうした先人の願いが少なからず込められて
いるかもしれません。

また敷地脇は水路とともに昔からの作場道も通っていて、その傍らに石で掘られた
道標も立っています。裏には明治29年の建立と刻まれており、当時の最上三十三ヶ所
巡りの案内板として、三叉路に立てられたようです。

下部には「右 山形」「左 耕源寺 半郷」と書かれています。最上三十三観音の
七番札所である岩波の石行寺からの道中にあたり、八番札所である鉄砲町の六椹・
宗福院の山形中心街方向と、九番札所である蔵王半郷の松尾観音の方向のちょうど
分岐点のような場所だとわかります。耕源寺はすぐ目と鼻の先に今も残ります。

 

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]

beautiful glider

オーベルジュの客室天井は緩やかな弧を描いています。
図面を引くのは簡単ですが、それを美しく実現させる現場は本当に大変だと思います。
一本一本、下地が組まれていきます。

曲面なりに石膏ボードが張られていき、ここに目地処理をしていき漆喰が塗られて
いくことになります。心安まる居場所として、なるべくおおらかな曲線に包まれる
ように部屋ごとに天井を架けていきます。

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]

還元

コロナ前までは毎年のように中心街で開かれていた山形大学建築デザイン学科の
展示会ですが、熱心なOBや意欲ある1年生などの頑張りで、ひさしぶりに開催
されていました。(会場はQ1や細谷ビル)

街に出ることで、自然と地域の人(これから大学をめざす高校生やそもそも建築
学科の存在を知らない年配の人まで)とつながる接点にもなり、それによって
学科としての存在感も一段と生まれてくるのではないかと思います。

学生たちの普段の学びや地域での足跡が街に還元されていくことで、また新たな
地域課題への取り組みにつながったり活動の連鎖が起こっていく気がしています。

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]

次の50年

リペア予定の天童木工のアームチェア。60脚以上ストックがあります。
およそ50年間使ってきたとは思えない、しっかりとした造りです。

マイナーチェンジはしているもののこのデザインのモデルは今も天童木工で
製造されつづけています。
アームチェア | DINING | | 天童木工オンラインストア (tendo-mokko.co.jp)

1966年にこのイスをデザインしたのは坂倉準三建築研究所。
永く愛されるロングライフデザインといえます。

また次の50年、使い続けてもらえるよう張り地を直したりしてもらう予定です。

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]