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桐生

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はじめての群馬、はじめての桐生市。

「東の桐生、西の西陣」というくらいの織物の街だと事前には聞いていたものの、

それ以上の予備知識は無い中での訪問でした。

 

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建て主さんとは午後からの約束だったため、午前中はぶらりとまちなか散策。

4年前に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されており、人口11万人ほどの

小ぶりな街中には豪壮な町屋や蔵、そして桐生のシンボルともいえるノコギリ屋根の

織物工場が数多く残されています。

 

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通りに対して垂直に伸びる小路が多いのも特徴。

3階建て以上の建物は少なく、近くの前橋市や高崎市と比べると山沿いに囲まれるように

あるので、山形から訪れた身としてはずいぶん落ち着く印象を受けました。

 

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この街の驚くべきは、数多くの古い建物が、リノベーションされて様々な用途に

「普通に」活用されていること。歴史的建造物のリノベーションは、とかく観光資源

だったり見世物のような感じで特別視されてしまいますが、桐生ではもちろん観光にも

使われていますがそれ以上に地元の人たちの日常の風景の一部として使い込まれています。

 

ある建物はパン屋として、ある建物はヘアサロンとして、または趣味のお披露目の場として

ごく当たり前のように使われている点に、他の街の数歩先を行っている感覚を持ちました。

文化的にもとても成熟した街のように見える一方、気になるのは次世代の存在。

活発に見える活動団体の多くはけっこう高齢化が進んでいるように感じました。

 

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初めて見た乗り物。電動コミュニティビークルだそうです。

時速も19㎞とかなりゆったり。まちなかがテーマパークになったかのようですね。

今回乗る機会はありませんでしたが、次回こそ(ちなみに無料とのこと)。

 

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桐生の雰囲気をなんとなく感じたところで、その伝建地区の只中にある敷地へ。

対象物件は、50年前の建物ですが歴史的建造物という感じではなく、当時のモダンな

造りで、外部空間を取り込んだ程よいスケール感。

計画は来年からとなりますが、桐生のもつ空気をうまく掴んでいければと思います。

 

 

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