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TOHOKU建築巡礼 ー鳴子・早稲田桟敷湯ー

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鳴子温泉(宮城)の共同湯のひとつ、早稲田桟敷湯にいってきました。

戦後まもなく早大生のボーリング実習で掘り当てた温泉が由来です。

その開湯50年を記念して改築されたのがこの建物。設計は、早大教授で建築家の石山修武氏。

温泉の硫黄をイメージした黄色い壁で内外とも統一されています。

 

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こけしの里を彷彿とさせる、ろくろ曳きの取手。

鳴子温泉ではそこかしこにこけしの工房が見られます。

 

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桟敷湯の象徴でもある「桟敷」はメインアプローチを挟むように二つ設けられています。

休憩所にもなっている「中桟敷」は30畳ほどの大きさ。

向かい側の「上桟敷」は一段高く、引き戸で閉じられており、現在は図書室になっています。

イベント時は上桟敷を舞台/中桟敷を客席にお芝居などを上演できるようなしくみです。

 

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そもそもが独特のデザインであることに加え、温泉街ならではの蒸気に常にさらされることで

特に外壁や浴室壁などは、築16年とは思えないレトロというか不思議な風合いに…。

何十年も前からそこにあったかのような雰囲気を所々で漂わせています。

一方、温泉熱を利用して建物内の暖房やシャワー、道路融雪をおこなうなどの工夫も。