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偲ぶ会

先週末はJIA東北住宅大賞の審査会が福島の飯坂温泉であり、そのまま日曜の
JIA全国大会のプレイベントであるシンポジウムの冒頭まで参加したのち山形に
戻って、先々月亡くなった師である本間利雄所長の「偲ぶ会」に参列しました。

私が独立してからも「同じ山形市内でやっているんだからたまには顔を出しなさい」
と言ってくださっていた所長のご厚意を受けて、年に一度は事務所を訪ねるように
していたのですが、今年の春に連絡した際には調子が悪いということでお会いできず
先々月の突然の訃報を聞くこととなりました。

本間所長と私はほぼ半世紀分歳が離れていましたが、本間設計に在籍していた9年間、
本当によく可愛がってもらいました。若い人と話をするのがとても好きで、私が入社
した2005年から「まんさくの会」という所長と若手所員の交流の場を所長自ら企画して
一緒に山に行ったり建物を見に行ったりしてくれたことがいまだに心に残っています。

今更ながら、生意気で不躾な所員だった私を厳しくも温かい目で見守ってくれていたことに
あまりにも大きな愛情と懐の広さを感じざるにはいられません。
私がいたのは9年間という長いようで短い間でしたが、所長には自由に好き勝手やらせて
もらったという感謝の思いしかありません。

本間利雄という稀代の建築家の功績は、その建築物の他さまざま書籍等に残っていくと
思いますが、少なからずその教えを請うた者の一人として、その存在と意志を次の世代に
語り伝え、受け継いでいかなければならないと思います。
そして同時に、本間利雄は多くの「人」も残したと言ってもらえるよう、私も良い建築を
つくっていかなければならないと気の引き締まる思いです。

私がまだ本間設計にいるときに、ちょうど出版前の所長の著書が所員に配られ
記念に一言書いてもらった時のもの。

この言葉を励みに、これからも精進していきます。

 

 

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