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雪国に際立つ

飯豊町に行った流れで、飯豊町庁舎に立ち寄りました。
設計は本間利雄設計事務所+地域環境計画研究室、完成したのが1979年なので、
私も生まれる前から建っていますが、モダンなデザインは40年経っても古びません。

この建物は、計画当初から生態学的環境調査を行いながら設計デザインを決めて
いったとされていますが、本間利雄所長が「Design with Nature」の著者であり
ランドスケープアーキテクトのイアン・L・マクハーグに出会ったのが1974年、
その翌年に地域環境計画研究室を事務所内に併設し、県内各地で環境調査を実施
しはじめており、飯豊町庁舎の計画が始まったのが1977年ということでまさに
エコロジカルプランニングが反映された時期の建築だったのだと気づかされます。

敷地はなだらかな東斜面の丘陵地にあり、水系や山からの風を考えて東西に広がった
長方形の平面形状とし、土地の造成範囲を少なくするために高層化し、造成後の
盛り土や斜面の崩壊を防ぐために植栽を施しているのが今もわかります。

外壁の磁器質タイルは、丘陵地の緑の中で映える色、飯豊の深い雪の中でもはっきりと
した色彩となるよう試験焼して選ばれた赤レンガ調のもので、建物際を歩いていると
どこか北欧の街なかを歩いているような感覚に襲われます。

たしか本間設計では1974年に北欧・ソ連の視察を行い、フィンランドのアアルトの
事務所も訪れているとのことだったので、その空気感がこの頃の設計に少なからず
反映されているのかもしれません。

庁舎の裏山を歩いていると、雑木林の中にポツンと小さな小屋が。
「森の中の家」としても見えて、つい見入ってしまいました。

 

 

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