2021.11.27
建築家の自邸
仙台の建築家自邸を同時に2軒見られる見学会が開催されるというので、スタッフ全員で
仙台市まで車で行ってきました。県外の建築家が手がける住宅を内部まで見られる機会は
なかなか貴重なので、とても良い体験ができました。
2軒とも、仙台では売れっ子の若手建築家による住宅事例で、しかもその自邸ということで、
それぞれに自らの建築に対する考えと思い入れと手間が相当に詰め込まれた建築でした。
一軒目は、建築工房DADAの代表取締役副社長・渡辺さんの自邸。
デザイン住宅なら一級建築士事務所の建築工房DADA (dada-arc.com)
郊外の住宅地に現れる大屋根の中に、庭木や太陽光が取り込まれています。
内部の床・壁・天井はカラマツの3層パネルや単板をふんだんに使った内装、
断熱材もウッドファイバーという木の断熱材で、省エネ性能も高く、
プライバシーを保ちながら冬でも開放的で暖かな住まいをつくり出していました。
二軒目は、菊池佳晴建築設計事務所の代表・菊池さんの自邸。
菊池佳晴建築設計事務所|住宅・オフィス・店舗・クリニック|仙台・山形・福島 (ykaa.jp)
仙台でも中心部に近いエリアながら南側は開け北側には小川の流れる環境に恵まれた
場所に建っています。
菊池さんの自邸は、壁の断熱材が40センチもあるパッシブハウスと呼ばれるもの。
ここでもウッドファイバーという木の断熱材が使われています。
このレベルまで来ると、暖房器具は要らず、冬は南の窓から室内に入る太陽光の
熱(それを床面に蓄熱)だけで、十分暖かくなります。
にわかには信じられないと思いますが、たしかにこの日、窓からの光だけで
とても暖かく、菊池さんはTシャツに裸足で居たくらいです。
エアコンはもちろんなく、薪は給湯用にのみ使い、暖房には不要だそうです。
光が入りすぎて暑くなりそうだと、写真にも映る外部ブラインドを下ろし、
ボタン一つで日射調整しつつ、縦長の通風窓で自然風を入れるとのこと。
二軒とも、同世代の建築家ということもあって、自然素材の活用や環境への配慮など
共感できる部分も多かったように思います。活動する地域や手法は違えど、同じ東北を
拠点に設計を行なう私たちにとって、大いに刺激を受けた一日でした。
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