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雪ぐ susu-gu

先日、とある方から「雪」という字は「払い清める」という意味もあるんだよと
教えてもらいました。あらためて辞書を見ると、雪という漢字は「雨」の下に
「彗(ほうき)」で、空から降って払い清めるの意だと書かれています。
読み方も「ゆき」以外に、「すす-ぐ」「そそ-ぐ」とありますね。

東北・山形に住んでいると、春・夏・秋と色彩豊かな自然が冬になると一気に
無彩色に近くなって、雪が積もれば一面が真っ白に包まれます。
それは人間でたとえれば老年期の白髪のような「枯れ」の境地にも見えたり、
もしくは神事の白装束のような清らかなイメージとも重なったりします。

決してマイナスなイメージではなく、むしろ次の春を迎えるための大事な
通過儀礼のようなものとして、白い雪は地域の文化に深く根ざしています。
とある方々との話でも、山形の農作物の滋味深さは、きっと雪の下に埋もれた
時間やそれと対比するような夏の暑さが影響しているんじゃないかと話になりました。

そうは言いつつも、今年の雪はあまりに多すぎます、、
現場も除雪しながらの作業で、職人さんたちには余計にご苦労をおかけします。
例年の比ではないこの雪の分だけ、より一層清らかな春を迎えられることを
祈るばかりです。

 

 

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