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OPEN ARCHITECTURE

JIA(日本建築家協会)東北支部+山形地域会が主催の作品見学会が酒田で行なわれました。
台風直撃で天気が心配でしたが、思ったほどひどくなく雨にも降られませんでした。
見学先は、昨年完成したばかりの市営の斎場。
設計は仙台の針生さんと地元の齋藤さん・小山さんの設計共同体。
酒田市美術館や土門拳記念館にもほど近い、庄内砂丘の防風林の中にありました。

杉の格子におおわれたアプローチ。
薄いグレーの色合いも美しく、とても軽やかな印象。

圧巻はやはり、松林まで視界が開かれた吹抜けの炉前ホール。
庄内の自然に見守られながら、最後のお見送りをする場として丁寧につくられています。

素材の使い方もいろいろ勉強になります。
館内各所で見られるこの菱形に貼られた壁紙は、西川町でつくられた月山和紙に
竹炭パウダーを加えて貼ったもの。
床の石張りや天然リノリウム、壁の左官仕上げ、杉の格子など、シンプルな形の中にも
素材感が出ていて土地柄も反映されています。

周辺の松林は、海からの強風の影響で全体が東側に傾いているのがわかります。
ここに来てあらためて、庄内の防風林の尊さと自然の驚異を建築を通して
認識することができました。

見学会の後、山形地域会の役員会が市美術館の喫茶室で行なわれ、それに出席して
一路山形に戻ってきました。

 

 

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