news

木と土の建築

JIA山形地域会が主催で先日来ご案内していた、広島の建築家・向山徹氏の講演会が無事
開催されました。向山さんは元々東北大の建築学科を卒業され、大手ゼネコン設計部に
所属後広島に移られ、そこで独立し現在は岡山県立大学の教授も務められています。

向山さんが手がけた「岩国のアトリエ」が昨年の日本建築学会賞(作品)を受賞された
ことを受け、向山さんと大学同期だった方(山形在住)とのご縁もあり、このたび山形
までお出でいただき講演をしていただきました。

この日は80名ほどの参加者で、東北大の先生やOBの方など、県外からも大勢集まって
いただき山形地域会にとっても非常に意義のある会となりました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございます。

せっかく広島から来ていただくのに、あまり山形を体験することなく帰ってしまうのでは
申し訳ないということもあり、向山さんからのリクエストも伺った上で、山形県内の
古今の建築を見て回るツアーを講演会前と翌日・翌々日に計画しました。

歴史研究室ご出身の向山さんと初日(講演前)に訪れたのは、白鷹町の深山観音。
正式名称は「観音寺観音堂」。国指定重要文化財となっている、室町時代に建て
られた阿弥陀堂です。お堂の周りにはかなりの残雪があり、恐る恐る雪を踏みしめ
ながらの参拝でしたが、杉木立に囲まれた閑かな周辺環境も含めてこの時期
ならではの風情も感じてもらえたかなと思います。

講演会翌日は一路、鶴岡へ。国宝にもなっている羽黒山五重塔まで行ってきました。

こちらもまだまだ雪の多い中でしたが、近くの観光センターで長靴とストックを
借りられたのが心強かったです。五重塔は昨年屋根修繕を終えたばかりで、
杉の大木が林立する中、聳える圧倒的なその姿をじっくり見てきました。

その後、鶴岡市街地に行く道中に松ヶ丘開墾場の蚕室群に寄り、市街地では荘銀タクト
鶴岡と藩校・致道館を見て回りましたが、ここでタイムアップ。庄内は他にも多くの
建築がありますが、一つ一つじっくり見ていくと、一日で回れる数は限られますね。
それでも十分満足感のある建築旅でした。

最終日は渋谷地域会長にバトンタッチとなり、山形市内でコパルや松尾観音を見て
回ったそうです。(松尾観音は「松尾川の家」の近く)

 

 

[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]