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遺されたもの

|蔵王の山荘|

蔵王の改修現場、仕上げ材を一旦外してスケルトンにしています。
床周りの防蟻処理を施して、断熱材を敷き込んだ後、床下地をしっかりつくっていきます。

壁内には間柱や胴縁が縦横に組まれていて、ずいぶん強固な下地になっています。
躯体自体は熊蜂などの虫の被害によるものがいくつか見られましたが、その補強
以外はしっかりした造りです。

蔵王の積雪を考慮してか、1階部分の下から2/3くらいがコンクリートの厚い壁で
囲われた形になっています。そのおかげで雪の被害は見られないものの、熱容量の
大きいコンクリートで四方囲まれているわけなので、どんどん室内(人も)の熱が
奪われていきます。真夏はひんやりして良いかもしれませんが、5月の今の時期でも
1階はずっと居ると寒いくらいです。

改修工事はどうしても、工事が始まってスケルトンになってから見えてくるものが
数多くあります。現場でその都度過去の建築状況を紐解きながら、今後の最善策を
探っていきます。

 

 

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