400年の歴史をもつ農業用水路「山形五堰」の一つ「御殿堰」を七日町第6ブロック北エリアにおいて開渠とするプロジェクト。山形市中心街では長らく堰が暗渠化しその存在が忘れ去られていました。「街なかに自然を取り戻す」をコンセプトに、コンクリートで覆われた水路は蔵王山系で見られるような黒系の玉石を使い、大きさや形もあえて不揃いなものを選びながら自然な風合いのある石積み水路をつくりました。底石の一部には落差を設けてせせらぎ五感で感じることができます。堰沿いの歩道は自然石張りとし、地下水を活用した無散水消雪とすることで冬でも快適に歩けます。植栽帯や苔張りを適度に取り入れて、周辺の緑とも連続する景観としています。歩道の西側から東方向を見上げると、山形五堰の水源でもある蔵王山系の雁戸山の姿が綺麗に現れます。
デザイン監修 井上貴詞
(株式会社井上貴詞建築設計事務所)
設計 株式会社朝日測量設計事務所
施工 山形建設株式会社
所在地 山形県山形市
工事内容 石積水路、石張舗装消雪歩道
竣工年 2024年3月
©takashi inoue architects