
事務所からほど近い、山形市十日町にある旧吉池医院にて、「neohau preview 3」と題し
デザイナーの須藤君が主催するフィン・ユール家具の展示受注会に行ってきました。
前回は今年の2月、山形座 瀧波での開催でしたが、同じ家具でもやはり築400年と
いわれる庄屋屋敷の古民家と、今回の洋風建築(歴史主義建築)とでは、また見え方も
印象もかなり違っています。
また旧吉池医院は、ここ2年ほど、近代建築山形ミュージアム実行委員会の皆さんの
努力により、各種展示イベントやミニコンサートなど一般公開の機会をつくっていたので、
何度か足を運びましたが、今回は展示パネルや余分な家具は一切片付けて、純粋に建物と
フィン・ユールデザインの家具だけに焦点がいくようになっていました。
空間と家具の質だけを感じられるようになると、自然と窓辺や外の景色にも意識が向く
ようになります。座り心地の優れたソファや椅子に身をゆだね、話をしていると、
時間が経つのも忘れてしまうような別世界に引き込まれてしまいます。
この良き空間を、いかに維持しながら永きにわたり存続していけるかは、運営による
ところが大きいですが、たとえば一棟貸しのホテルとして活用した際に、1階の診療室は
宿泊者のダイニングやサロンのように使えるかや、予約制のレストランや喫茶室として
活用した際の動線や水回りの確保など、いろいろ妄想してしまいます。
今から110年以上も前に建てられたものなので、もちろん傷みや弱さを感じる部分はありますが
それ以上に唯一無二の存在感と空間の魅力は、ただ見るだけでなく、体験できる場としての
利活用が必要だと切実に思います。山形を誇れる場がまた一つよみがえりそうです。
[ 東北|山形|一級建築士事務所|井上貴詞建築設計事務所 ]